Works

東京国立近代美術館・国立工芸館ウェブサイトをフルリニューアルしました。
CMSはWordPressを採用し、独自ブロックの開発や多言語対応など、日々の運用において操作しやすい環境を実現しました。また、展覧会等の過去の膨大なデータも整備して移行し、利用者に充実した情報を提供できるウェブサイトを目指しています。

WordPress

Team - チーム編成

  • ディレクター 2人
  • サーバーサイドエンジニア 2人
  • フロントエンジニア 3人
  • デザイナー 1人
  • 業務サポート 5人
  • 営業 1人

Problem - 課題

2022年当時のウェブサイトが最新のインターネット環境に即さず利用者に不便な点が見受けられるようになってきたため、主に以下の課題を解決すべくリニューアルに取り組みました。

  • パソコン、スマートフォンどちらでも可読性が高く、かつ得られる情報に差異のないデザインにする
  • 目的の情報にストレスなくたどりつけるユーザビリティを実現する
  • 身体障害者など、あらゆる利用者を想定したアクセシビリティに配慮する
  • 外国人観光者など、海外の利用者にも利用しやすいウェブサイトにする
  • 日常の運用をスムーズにするためにCMSの操作性を向上する

また、美術館ならではのコンテンツとして、過去の展覧会情報などの大量に蓄積されたアーカイブデータをいかに適切に移行するか、という課題もありました。

Approach - 提案

先述の課題、特に多様な利用者に配慮する課題を解決するため、以下の提案を行いました。

  • 様々なユーザーの利用シーンを想定してサイト構成を設計する
  • サイト独自の使い方を要求するUIは利用者に不便なため、できるだけシンプルに操作できるUIを心がける
  • 障害のある方々に実際に操作していただいてレビューを行い、画面構成や配色を調整する
  • 音声読み上げブラウザでも快適に利用できるようにマークアップする
  • 「鮮度が大切な情報」と「蓄積が大切な情報」を適切に扱い、発信とアーカイブの双方を達成できるように構成する

Results - 成果

サイト構成および画面設計には打ち合わせや課題管理ツールを活用して確認作業を重ね、可能なかぎり多くの時間を費やしました。美術館と工芸館の2つのサイトで共通するコンテンツが多いものの、それぞれに独自のコンテンツも存在するため、細部の調整に気を配りました。

アクセシビリティにおいては、障害者専門のクラウドソーシング サービス「サニーバンク」を利用して、実際に様々な障害者の方々にプロトタイプを操作していただき、合同レビューという形式でテストを行いました。結果、通常のアクセシビリティ試験のみでは得ることのできない問題点を抽出することができ、真にアクセシビリティに配慮されたウェブサイトを実現しています。

また、運用面において、美術館および工芸館の運用担当者がストレスなく更新できるように、独自ブロックを開発し、多言語対応にはWPMLのプラグインを導入してカスタマイズしました。特に独自ブロックとACF(Advanced Custom Fields)およびWPMLを連携する開発では様々な課題に直面し悩まされましたが、多くの時間をかけて試行錯誤することで、容易には得られない知見を蓄積することができました。

System - システム構成

  • CMS WordPress
  • サーバー Kinsta